科学捜査においての意識運動性の反応

マークス・ハウエル元捜査官 & ジョージ・マウント博士

 
意識運動は、基本的に無意識の筋肉運動です。
これらの反応は、様々な解釈がされてきました。
以下は意識運動性の反応に関する、主な理論の概要です。
いくつかのものは、科学捜査において記憶の呼び戻しのテクニックに
使用することを考慮する価値があると思います。
約1世紀前、バーンヘイムは、催眠性の過程(ワイゼンホファー、1989)の中で、
精神生理学の過程(意識運動性の行動)が、理論の要素であると議論しました。
彼はレイコックとカーペンターという2人のイギリス人の医師によって影響を受けました。
最近では、アメリカの心理学の父、ウィリアム・ジェームスは、
意識運動性の行動が人間の行動学おける重要な役割を果たしたと述べました。(ジェームス、1890)
学習理論家として知られているクラーク・ハルもまた催眠を実験し、
そして、催眠の理論(ハル、1933)の中で、 意識運動性の行動の重要性について暗示しました。
ほぼ同じ頃、ミルトン・エリクソンは彼の医療行為で、意識運動の合図を使用していました。
意識運動性の反応は、フランク・モナガンによって「臓器言語」と呼ばれ、
臓器言語は無意識の言語(モナガン、1972)と述べました。
チークはこの現象を、「意識運動(ideomotor)」と呼んでいましたが、
ロッシィは「意識行動力(ideodynamic)」と言う用語を好みました。
チークは、記憶には生理的、骨格的な要素があり、
これらの行動は、意識的な偽りをしにくいと信じていました。(ロッシィ & チーク, 1988).
彼の地位はいくつかの武道と体操専門家が信奉する「筋肉の記憶」の概念と似ています。
彼らは、継続的な練習がストレス下でさえほとんど影響されない、
無意識でミスの無いパフォーマンスをもたらすと信じています。
 
バーンヘイムの時期の意識運動を示すための、最も古い知られている装置は、
振り子を使用するもので、今でもシュブルールと言う化学者の名前で呼ばれているものです。
こっくり板の過去の人気は、意識運動の価値を証明しています。
実際には、規定の手信号を除いては、意識運動を示すための装置は必要ありません。
科学捜査でシュブルールの振り子を使用できますが、指/手信号の使用のほうが望ましいです。
特に科学捜査で、記憶の呼び戻しに指/手信号の意識運動を使用をし、
それを捜査の手掛かりとして使用し、司法審査を受ける場合は、
ビデオ/オーディオの録画が必須です。
振り子を使用したビデオを見せると、相手から批判と質問が起こるかもしれません。
対象者の指を使う信号のほうが、チェーンなどを使用するのに対し、
より自然でより直接的だからです。
 
催眠前プログラミングは意識運動の指の信号の確立にかかわります。
「はい」、「いいえ」、「知りません」、「答えたくありません」の4つの信号があります。
「知りません」を除去し、「答えたくありません」だけにしても良いでしょう。
そうすれば、「No」と「Know」の意味論の混乱を避けることができます。(英語のときのみ)
チークが、「No」と「Know」が対象者を混乱させるかもしれないと提案した最初の人でした。
彼は、「はい」、「いいえ」、「答えたくありません」で行うことを推奨してます。
 
決定が何であっても、始める前に、はっきりとした信号指示を確立してください。
添付したフォームで、上げる指の名前と一連の答えを関連付けます。(書類#1,2参照)
この方法は特にナンバープレート情報の呼び戻しに効果的です。
一つの方法としては、好きなほうの腕の人差し指を「はい」のときに上げる方法です。
ある人は利き手を推薦していますが、どちらの手を使用するかは、
対象者に尋ねるのが最も良い方法であると思います。
そして、答えが「はい」のときに、人差し指が自動的に上がるということを伝えます。
さらに、人差し指に触り、同時に「はい」と数回言わせることで、効果が上がるかもしれません。
次に「いいえ」の指を決めます。
私は同じ手の小指を使うことを推奨します。
ある人は同じ手の中指を使いますし、またある人は違う方の手の指を使います。
「いいえ」の指も同じように、答えが「いいえ」のときに、自動的に上がると伝えます。
最後に「答えたくありません」の指を決めます。
私は同じ手の親指を使います。
「答えたくありません」は、混乱したとき、すぐに答えがわからないとき、
何かの理由で答えられないときにも反応するということを説明します。
これらの手順は、対象者が催眠下のときに、繰り返してもかまいません。
 
意識運動の指信号を確立したら、催眠の過程に入ります。
もし、ナンバープレートの呼び戻しなら、書類#1の最初の6問を「はい」と「いいえ」で尋ねます。
そうすると、州の名前、文字の合計数、ナンバープレートの数字がわかります。
書類#2を使えば、最初の字から何かと言う、具体的な質問を尋ねることができます。
最初の字が文字か数字か分かったら、該当する列を、
意識運動の指信号が反応を見ながら下に下がっていきます。
そして、文字/数字が確定しても、そのまま確認のため最後まで進みます。
もし対象者が該当の列で「はい」を2回示した場合、その両方を記録します。
このような組み合わせは、乗り物の識別をもたらす可能の組み合わせの1つとして処理します。
 
意識運動性の動作は、口頭報告より信頼できると、多くの専門家によって見なされています。
これは「無意識の筋肉運動は、意識的な情報の外で動作する」と言う信念の基づいており、
伝統的な催眠の手順では利用可能ではないかもしれません。
そのため、意識運動の手順は、催眠科学捜査において有効なツールです。
 
参考文献
Hull, C. L., Hypnosis and Suggestibility. NY: Appletion-Century-Croft, 1933
James, W., Principles of Psychology. NY: Holt & Co., 1890
Monaghan, F., The Waking Sleep. TX: Alpha Publishing, 1972
Reiser, M., Handbook of Investigative Hypnosis. CA: LEHI, 1980
Rossi, E. L. & Cheek, D.B., Mind-Body Therapy. NY: Norton & Co., 1988
Weitzenhoffer, A. M., The Practice of Hypnotism (Vol. 1). NY: John Wiley & Sons, 1989
 

書類#1

 

書類#2